うまくいく営業トークのコツとは?売れる営業マンも使っている応酬話法を用いてわかりやすく解説

自分は口下手だし営業は向いてないのではないかと悩む人は少なくありません。そういった人の多くは営業トークの流れの基本や、応酬話法といったトーク術を知らずに、やみくもに営業をくり返している人が多い印象です。営業は向いてないとあきらめる前に、営業に挑む考え方や営業に向けての準備など、多くの取り組むべきことがあります。

本記事ではうまくいく営業トークのコツや基本の流れについて、応酬話法を用いてわかりやすく解説しています。営業について悩みを抱えている人や、営業成績を上げたい人は、本記事をチェックしてみてください。

営業トークの流れの基本を理解する

営業がうまくいくには営業トークの流れの基本を押さえることが大切です。やみくもに営業に挑んでいても商談はうまくいきません。逆に営業トークの流れの基本を押さえてしまえば商談がうまくいくことは十分にあるので、営業が苦手な人でも落ち込む必要はありません。

ここでは営業トークの流れの基本について、会話例を用いて5つのステップで解説していきます。会話例から実際の営業トークをイメージしてみてください。

①挨拶

営業トークのはじまりは挨拶です。話を聞いてもらえるように第一声は明るく、元気に会社名と名前を伝えるようにしてください。営業の際は自分が会社の代表だと意識して、第一印象で不快感を与えないように努めてください。また、会社名が有名でない場合は会社名だけでは不十分です。会社の所在地や自社の有名な商品などについて話すのもよいでしょう。

たとえば、「〇〇会社の田中です。会社は大阪市内にあります。~~の商品で国内シェア90%を占めています」というように、クライアントに安心感を与えるようにしましょう。

②雑談(アイスブレイク)

次に話しやすい雰囲気作りのための雑談(アイスブレイク)です。初めての商談相手は特にですが、相手がどういった人かわからないために緊張し、話がスムーズに進まないものです。そういった際には、雑談を入れることで話しやすい雰囲気作りをしましょう。雑談で相手に質問を投げかける場合は、自らの情報を開示することも忘れないようにしてください。

「私は大阪出身ですが、〇〇様のご出身はどちらですか?」というように、自分から心を開いていくようにしましょう。また、ポイントとして商談に関するような話題を雑談にもってくると、スムーズに本題へと移ることができます。

➂ヒアリング

本題の話題へとスムーズに移行したあとは、次はヒアリングです。ヒアリングではクライアントの悩みや課題、ニーズを聞きだすことを心がけましょう。そのためには相手の立場に寄り添い、共感することです。

「そうですよね。その気持ちがよくわかります。クレーム削減目標が達成できない具体的な原因はどこにあると思いますか」というように、共感するようにしましょう。相手の信頼を獲得し、他社には話していないような本音を聞きだせることもあるでしょう。

注意したいのが焦って課題や悩みを聞きだす前に、自社商品やサービスを売り込もうとすることです。自分勝手な相手だと思われて、商談がうまくいかない可能性が高くなるからです。

④オファー

クライアントの課題やニーズを聞きだせれば、自社商品やサービスのオファーに移りましょう。商品の説明や特性について話すよりも、将来どういったベネフィットをもたらすかを、相手がイメージしやすいように話してください。

オファーの過程で不安に思われた点については、サポートできる旨を伝えてください。デメリットについても説明し、相手が納得できるような形でオファーしましょう。

「御社は商品のクレームが減らないといった課題があるとお聞きしましたが、弊社の商品を取り入れることでクレームは格段に下がります。原材料コストは少し上がりますが、クレームが減ることで対処の時間が減ります。クレームにあてていた時間を新商品開発にあてられますよ。」
このような一例をもとに、オファーをかけるようにしてみてください。

⑤クロージング

オファーによってベネフィットを伝え、クライアントの不安材料を取り除いたあとは、最終ステップであるクロージングへと移ります。クロージングまでの過程で相手から信頼を得ていれば、「弊社の商品を購入されますか」といったひと言で大丈夫です。

強引なセールスにもち込むと今後の付き合いがなくなるかもしれないので、あくまで相手の判断に委ねるようにしてください。

購入にいたらなかった場合でも課題やニーズは聞きだせているので、ひどく落ち込む必要はありません。購入にいたらなかった点は反省し、相手が満足できるように営業トークを磨くなど、改善を続けましょう。信頼を得ていれば、時間の経過とともに相手側からあらためて問い合わせがくるケースもあります。

すぐにでも実践できる営業トークにおすすめな応酬話法

営業トークが苦手な人でもすぐに実践できる方法として応酬話法があります。応酬話法とは相手の反応に対して、うまく切り返していくトーク術のことです。応酬話法を用いることで会話を広げたり、悩みや課題、ニーズを引き出したりもできます。たとえ相手がネガティブな発言をされたとしても、それに応じた話法が存在します。

営業の基本の流れに応じて応酬話法は存在するので、応酬話法を覚えることはトークの全体の流れをつかむことにもつながります。以下のパートでは7つの応酬話法を用いてそれぞれの役割について説明しています。7つとなると多く感じるかもしれないので、最初のうちはひとつずつでも覚えるようにしてください。

あなたの営業トークは売れる営業トーク?売れない営業トーク?

自分の営業トークが売れる営業トークか、もしくはそうではないのか、応酬話法の例に沿って確認するようにしましょう。応酬話法は売れる営業マンが用いている売れる営業トークのひとつの型でもあるので、身につけることをおすすめします。ここで紹介する7つの例は、上から順番に使うと営業の流れに沿ったトークができるようにもなっています。

質問話法

クライアントに質問を投げかけながら相手の課題やニーズを探っていく話法です。アイスブレイクやヒアリングの段階で使うことが一般的です。質問によって相手が思いもよらなかったことに気づくことや、課題やニーズがみつかることがあります。質問の中で相手の課題やニーズを引き出し、自社商品やサービスに結びつけられないか探るようにしてください。

寄り添い話法

クライアントの気持ちに寄り添って話を進める話法です。ヒアリングの段階で使うことが多い話法です。顧客が抱える悩みや課題に共感することで、相手の本音を聞きだすことや信頼につなげます。相手がネガティブ発言されても否定することはなく、共感を示しながら課題を解決できるような提案をしましょう。

ブーメラン話法

クライアントのネガティブな主張を逆手にとってプラスに変える話法です。オファー後の商品説明をした段階で活用できる話法です。相手からするとネガティブな主張だったとしても、別の側面からみるとプラスに変えることはできます。それが自社商品やサービスであれば、弊社と取り引きする価値が相手に伝わり、代えのきかないモノになることさえありえます。

Yes but法

相手の意見を一度受け止めて、反対意見を伝える話法です。オファー後の商品説明の段階でよく使われます。一度話を受け止めずに反対意見を伝えてしまうと、相手は否定された気持ちになって商談が続かない可能性があります。たとえ正論であったとしても否定することは、相手が耳を貸さないようになる可能性があるので注意してください。

逆に一度受け止めたうえでこちらの意見を伝えることは、自社の商品やサービスに信念をもって営業していることが伝わる可能性があります。Yes but法を使うときは、現状より改善を促すような提案か、リスクを回避するような提案かで使いわけるようにしましょう。

反対意見であっても斬新な内容であったりすると、他社との差別化ができるので、ひとつのトーク術としては覚えておきたい話法です。

Yes and法

相手の意見を受け止めて、さらに説明を加えてメリットを伝える話法です。オファー後に使われるのが一般的です。Yes but法よりもやわらかい印象を与えられ、話し方によっては穏やかに反対意見を伝えることもできます。ただし、少し説得力に劣ることもあるので、相手との関係性を考慮したうえで、Yes but法との使いわけを考えるようにしてください。

否定話法

否定話法とは相手の意見を真っ向から否定する話法です。特にクロージングの際に使われます。否定すると商談がうまくいかないのではと不安に思われるかもしれませんが、相手の不安を否定する形であれば問題ありません。
自社商品やサービスの購入にあたって不安をもったまま購入されると、のちにトラブルになることがあります。そもそも不安を取り除かないと購入にいたらないこともあるでしょう。ただし、強い口調で否定話法を用いると反感を買う可能性があるので注意が必要です。

例え話法

例え話法とは、例え話を用いて自社商品やサービスを説明したり、購買意欲を高めたりする話法です。どのトークの段階でも用いることはできますが、クロージングなどに使うと効果的です。例え話を用いることで購入後のイメージがしやすく、購買意欲が高まります。他社の導入状況を伝えることもイメージが深まるので、取り入れるようにしてください。

営業トークに必要な「コミュニケーションスキル」

営業トークに必要なコミュニケーションスキルは主に「場を作る」「聞く」「話す」といったスキルです。それぞれのスキルについて解説していきます。

場を作るスキル

話をスムーズに進めるためにも、場を作るスキルが必要です。話をする前に場作りができていなければ相手から本音を聞きだすことも難しく、積極的な会話にもならない場合があります。

まずは最低限押さえておきたいのが、社会人としての礼儀作法やビジネスマナーです。社会人としてあたり前と思われることができていなければ、クライアントから信頼を損ねます。信頼を損ねることは、話をする土台にすら立てない場合があります。

最低限の礼儀やマナーを身につけたうえで笑顔で話すことや、相手の話に共感することなど、相手が話しやすい環境作りに努めましょう。場を意識的に作ることができれば、商談もコントロールできるようになります。

聞くスキル

売れる営業マンになるにはプレゼンテーションなどの話すことに意識が向きがちです。ただし、その前に相手が抱える悩みや課題、ニーズを聞きだす力が重要です。そのためには、まずは相手の声に耳を傾ける傾聴力を磨きましょう。

ヒトは本来、誰かに話を聞いてもらいたい特性があるので、一方的に商品のメリットを伝えるだけでは商談もうまくいきません。まずは、クライアントの声を注意深く聴くことに集中してください。

話の中でクライアントが抱える悩みや不満に対して共感すると、相手は自然に心を開いてくれるはずです。心を開いてもらえると本音の部分を聞きだすことができるので、傾聴はとても大切です。

ただし、聴くだけでは相手の課題やニーズを深くまで理解することは難しいこともあるでしょう。相手が口下手なタイプであれば、さらに難しくもなります。そこで大切になるのが訊く力で、相手に質問する力といってもよいでしょう。

質問する方法にもいくつかパターンが存在し、知っていると知らないでは大きく営業結果も変わってくるので、紹介していきます。

確認法

「1点確認させていただきたいのですが、御社の直近の課題は、〇〇製品のコスト削減でしょうか」というように、聞きたい課題について明確に質問してみましょう。明確にして質問すると、相手も何が知りたいのかはっきりとするので、質問に対して明確に答えてくれるようになります。

鎌かけ法

「他社の大手A社さんも弊社の〇〇を導入して大幅にコストを削減したのですが、御社のお考えは……」というように、こちらが知りたいことをクライアントに話させるような方法です。鎌かけ法を使う際に注意したいのが、ウソをついて相手を誘導するのはやめましょう。ウソがバレた際には取り返しのつかないことになる可能性もあります。

択一法

「御社の方針としては、多品種少量生産でしょうか、それとも少品種大量生産でしょうか」というように、どちらかを聞くような質問は、相手の本音が出やすくなります。クライアントも2つ比べて確認することで、これまでなかった視点や、課題に気づくこともあります。

深掘り法

「さきほど〇〇が課題とお伺いしましたが、具体的にはどういうことでしょうか」というように、クライアント主導で確認したいことを深掘りさせる方法です。クライアントも深掘りしないと気づかなかったことに気づく可能性があります。択一法もですが、新たに気づきを与えるといった点からは、クライアントから重宝される可能性があります。

小さな同意獲得法

「次回〇〇をおもちしましょうか」と質問し、相手から「お願いします」というように同意を得る方法です。相手が「Yes」といいやすいような質問をすることがコツで、次のアポイントも取りやすくなるでしょう。

話すスキル

話すスキルとは口がうまいとか、よくしゃべるといったことではなく、相手に伝える力のことをいいます。相手にわかりやすく理論立てて話すことは大切ですが、伝えるには話すだけではなく、他の要素も含めて伝えるように努力しましょう。

たとえば、写真やイラストを使用したほうが視覚的にイメージしやすいので、わかりやすい場合もあります。また、他社への導入事例であったり他社の評判など、リアルの声を伝えることもひとつの手です。

注意したいのが、ついつい自社の商品の説明や特性ばかりを話しがちになってしまうことです。自社の商品を購入することで、御社にどのようなベネフィットがもたらされるかを伝えるようにしましょう。

また、マニュアルなどに記載された通りの順番に話すのではなく、相手が知りたい順に臨機応変に話すことも大切です。

うまくいかない理由を分析しておく

営業を続けていくうえで、商談がうまくいかないこともあります。その際に売れる営業マンはうまくいかない理由について分析し、次の営業で結果を出すために改善を続けているものです。ここでは、営業トークでうまくいかない理由について紹介します。

早口で一方的な話し方

早口だと相手に真意が伝わらない可能性もありますし、クライアントにとっては焦っているように受け取られる場合があります。相手からすると信頼しても大丈夫なのかといった気持ちにもなりますし、こちらの意見を聞いてくれないと思われることもあるでしょう。

特に新人の営業マンに多い傾向はありますが、焦らず落ち着いて、相手の声に耳を傾けるようにしてください。それでも不安な人は台本(トークスクリプト)を用意するのも対策のひとつです。

台本(トークスクリプト)そのまま

台本(トークスクリプト)を用意するのもひとつと述べましたが、どんな場面でも台本通りに話してはいけません。

台本通りな対応ばかりだと、緊急時などにうまく対処できない営業マンだと思われます。また、台本にないことが聞かれた際に焦って話が続かない可能性があるので、頼りすぎるのにも注意が必要です。

強制的な話し方

購入を強制的に進めるような話し方はさけるようにしましょう。クライアントにとって魅力的な商品やサービスであったとしても、強制的な対応だと反発される可能性があります。何か問題が起きた際に、丁寧に対応してくれない相手だといった印象を与えかねません。

自社商品やサービスのメリットしか話さない

自社商品やサービスのメリットしか話さない場合、逆にデメリットを隠していると思われる可能性があります。メリットとデメリットは表裏一体の部分もあるので、デメリットも隠さずに伝えましょう。

デメリットを補うほどのメリットをうまく伝える工夫も必要です。デメリットについては今後どのように改善していく予定かなども、伝えられるとよいでしょう。

質問に対する回答が遅く的確ではない

営業トークの中ではクライアントから質問されることも想定しなくてはなりません。質問の回答が遅かったり的確でなかったりすると、自社商品やサービスに知識があまりない人だと思われます。

あらかじめ相手からくる質問を予測することも必要ですが、普段から自社商品やサービスの知識を深めるように心がけてください。

営業トークに「台本(トークスクリプト)」は必要か

営業トークに台本(トークスクリプト)を準備することには、効果的な面もあれば注意したい面もあります。台本とは営業の際に、どのような内容で話をしていくかの方向性や、質問に対する答えなどをまとめたマニュアルのことです。ここでは、どのような点が効果的であり、注意すべきなのかをみていきましょう。

自信をもって商談を進められる

新人で営業経験が少ない人や、営業に苦手意識をもっている人にとっては台本は心強い味方です。商談の前にあらかじめフローチャートのように台本を作っておくことで、営業当日でも心の余裕ができます。心の余裕をもつことで、自信をもって商談を進めることができます。自信をもって話ができることは、クライアントからも信頼されやすくなります。

ノウハウの共有や教育に効果的

ベテランの営業経験やノウハウを台本にまとめることで、先人の知識や経験を他の従業員と共有ができます。台本をもとに新人教育などに落とし込めば、一定の基準をクリアした営業マンが育てられます。組織を作るうえでは、新人も早く戦力になってもらいたいので、効果的だといえるでしょう。

統一された自社商品やサービスの提案ができる

台本がないと、自社商品やサービスに対して個々人の知識や考え方が反映された、営業の提案になることが予測されます。その場合、本来伝えるべきアピールポイントやデメリットをクライアントに伝えきれずに、購入にいたらない可能性が出てきます。その点では台本があることで、統一された商品やサービスの提案が可能となり、チームの営業成績アップが見込めます。

台本がクライアントが求める内容になっているか

台本を作る際にクライアントが求める内容に沿って作らないと、商談時に話がうまくまとまらない可能性があります。クライアントが興味を示す内容になっているか、どのような話の流れでも応用できるかの視点は必要です。

商談時の対応力が下がる

台本に頼りすぎてしまうと決まった提案や、台本にはない質問などが来た際に必要な答えが出せなくなる可能性があります。商談はひとつひとつが別物で、商談相手もさまざまです。商談は会話の中で生まれるものもあるので、台本通りにはいきません。普段から商談の練習などで臨機応変に対応できるようにしましょう。

デキる営業マンはしっかりと準備している!

デキる営業マンは生まれもっての素質がちがうから営業がうまくいくのでしょうか。たしかに生まれもっての素質に左右される部分はあるでしょう。しかしながら、デキる営業マンは営業に挑む前からしっかりと準備しているものです。

クライアントとの商談は商談相手の大切な時間を使ってもらっているといった認識が大切です。そう考えると一瞬たりとも無駄にはできませんし、相応の準備をしたいものです。自社商品やサービスについてはもちろんのことながら、商談先や商談相手が何を求めているか調査して望むようにしましょう。

営業トークの質を上げて営業成績UPを目指す!

本記事では営業トークの質が上がるように営業トークのコツや基本の流れ、応酬話法などのトーク術について解説してきました。昨今は働き方改革などによって就業時間を短くし、より生産性を追及する企業もふえてきました。

リモートワークなどの普及により、ふらっと得意先に寄って世間話などして関係性を築くことも難しくなっています。

そういった中では、ひとつひとつの商談を無駄にすることはできませんし、営業トークの質を上げる重要性が高まってきています。実践で営業トークを磨くことは大切ですが、オンライン講座などで営業スキルを上げる講座も広まっています。デキる営業マンを目指すためにも、オンライン講座の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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